文系でも頑張る

スイスで圧倒的に強い人達に出会った文系大学生が、なんとか強くなろうとあがく日記です。

Innovator's Dilemma Vol.1 イントロダクション ~3つのFailure~

さて、そういえば僕は商学部なので積読してたClayton M. ChristensenのInnovator's Dilemmaも読んでいこうと思います。
この本で扱うテーマはズバリ、
「うまくいってる企業こそ、潰れやすい」
という命題。
ようは、今まで市場を席巻していた企業がいつの間にか負け組になっていることは往々にしてあるよということですね。

今回はそのようなfailureが起こるフレームワークを構成する3つの要素を紹介したいと思います。
予め了承していただきたいのですが、僕はテクノロジーイノベーションを本の表現を援用する形でごっちゃで使っています。お許しを。

1. Disruptive Technology
2. 技術の進歩が、市場のニーズを追い越す
3. 「適切」な投資判断

では早速。
1. 技術にはSustainingなものと、Disruptiveなものとに分かれる。
Sustaining Technologyとは、既存の商品のパフォーマンスを向上させるような技術。ここで言うパフォーマンスというのは、市場の主たる消費者が価値を見出している(historically valued)性能のことです。
Disruptive Technologyとは、これまで評価されていなかった新しい評価軸を備えた技術のことです。このような技術を備えた商品は往々にして、今まで重要視されていたパフォーマンスに関しては、既存品より劣ることがあります。

「え、なんか似たような話は昔からあるような」という方はよく勉強されていますね。(というか、僕が勉強不足なだけでしょう。)
おそらく、それはイノベーション論における「Incremental vs. Radical」のフレームワークでしょう。めっちゃ適当に解説すると、Incrementalなイノベーションとは既存の商品のパフォーマンスを線形的に向上させるもので、Radicalなイノベーションとは、全く新しいものを作り出すイノベーションのことです。

しかしながら、クリステンセンはRadicalかつSustainingな技術革新などもありこの2つのフレームワークは同じものではないという主張をしています。
例えるならば、CDというのは既存のレコードやMDとは全く異なるRadicalな技術ではあるが、CDによって向上する音質、容量という評価軸は昔からあり、新たな価値基準を追加するものではない、というようなことでしょうか。CDはsustainingな技術として、音楽小売業界にとっては追い風になるわけです。
一方、企業のfailureはDisruptive Innovationによってもたらされます
Disruptive Innovationは、既存の評価軸ではただの出来損ないであるわけですが、今までなかった価値を持っており、ごく一部の消費者がそれを評価することになります。
先程例に出した音楽小売業界に打撃を与えているのはApple Musicなどサブスクリプション型のビジネスですが、これもある意味Disruptiveなイノベーションかもしれませんね。僕も最初は「いや、そんな好きなアーティストたくさんおるわけちゃうし、毎月金払う必要性とかないやろ...」と思っていたのですが、今ではすっかり欠かすことのできない存在になっています。たぶん最初はフェスとか行ってどんどん新しい音楽に触れる人たちに受けたサービスなんでしょうが、そこから僕のような大衆にまで広まったのではないかと想像してます。
本書で挙げられていた例はホンダのスーパーカブですね。それまでハーレーやBMWのバイクと比べると走行性能は遥かに劣りますが、燃費がよく、安価で、小回りの効くスーパーカブの成功は、今では誰でも知っています。f:id:Gawataro:20181013065046p:plain

こういう事があるわけです。

2. 技術の進歩が、市場のニーズを追い越すとき
これは理解し易いですね。企業は日進月歩の技術を商品に取り込むことで商品の価値が上がると考えています。考えているというか、それは確かなことなのですが、果たして市場のニーズを捉えていると言えるのでしょうか。

僕は、最近のAppleがこの問題に直面しているのではないかと考えています。最近のAppleの発表、既存の製品のアップデートがされるだけで特に目新しい技術が追加されているようには思えません。その割には価格はどんどん上がっていきます。 
「これ以上画質のいいカメラや処理の早いプロセッサ、大容量、顔認証とかはいらないから安くて5年くらい持つiPhone作ってくれ!」って思ってる人は少なくないはずです。ちょっと前にそれを試みて失敗してた気もしますが...

話が少し飛びますが、Appleイノベーション型の企業から、サブスクリプション型の企業に移り変わっていこうとしている、なんて話が最近ありますよね。サブスクリプション型の企業の顧客は、イノベーション型の企業の顧客より遥かにコストにセンシティヴなはず。「お前Macずっと使っとんやろ?ちょっと高なったけどこれからも買ってくれるよな?」というスタンスで、いつまで持つかはちょっと不安なところです。

そんな事を言いつつも、僕は中2からApple製品の虜なので、一番新しい製品をついつい買ってしまいます。でも、そんな僕を含めAppleのファンがAppleをだめにしている可能性があることを(あくまで可能性ですが)クリステンセンは3つ目の要素で紹介します。

3. 「適切」な投資判断が、破滅を導く
うまくいっている企業は、当然ながら利益を株主に還元しながらも、さらなる研究投資をすることができるわけなんですが、はたしてその企業にとって適切な投資判断とは何なのでしょうか。僕はここに、この本のタイトルである「ジレンマ」を感じましたね。
当然ながら研究投資は、さらなる成長や利益のために行われますから、成長や利益をもたらしてくれそうな部分に多くの資金が投下されるでしょう。難しい言葉を使えば蓋然的にprofitableな部分に投資をすることになります。
そしてそれは具体的にいえば、「上客」が買ってくれそうなものを作るための投資ということになります。先程の話に戻りますが、上客は今までの商品に満足しているからお金を払っているわけであって、そんな上客の買ってくれそうなものにいくら投資しても、Disruptiveなイノベーションを導くことはないでしょう。そうやって惰性的に既存の顧客の満足するSustainingな技術開発ばかりしているうちに、取り返しの付かないことになっているのです。
今お金を落としてくれている顧客のおかげで繁盛しているのに、彼らを満足させようとすればするほど破滅を招く...何というジレンマでしょうか。

今日はここまでです。
読むのは簡単なのに、説明が難しい...
これは大変な作業ですね。
でも説明できないことは理解できていないも同然ですし、今までこうやって人に自分の頭の中を見せるのを怖がってきたところがあるので、ゴミみたいな文章をこれからも錬成して、多少なりともアウトプット力を鍛えていきたいものです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!!