文系でも頑張る

スイスで圧倒的に強い人達に出会った文系大学生が、なんとか強くなろうとあがく日記です。

企業参謀 Vol.1 「戦略的思考入門1」

さて、戦略プロフェッショナルの記事から大分時間があいてしまいましたが、次の本を読み始めています。

次の本はこちら。

企業参謀―戦略的思考とはなにか

企業参謀―戦略的思考とはなにか

「企業参謀 〜戦略的思考とはなにか〜」です。
大前研一さんは日本人の戦略コンサルタントの元祖的な人ですね。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社長を務められたほか、さまざまな政策提言をなされている方です。

企業戦略に興味のある人は全員知ってるんじゃないかというレベルの本だと思われるのですが、僕はろくに勉強してこなかった大学生なので、しっかりと読み込んでいきたいと思います。
この本自体はそこそこボリューミーな本ですが、書いてあるのはコンサルタントを志す人に限らず、サークルのキャプテンなどといった組織の幹部であれば誰でも役立つ内容なので、興味が湧いた方がいたら、ぜひご一読をおすすめします。僕の拙い文章では良さが伝わらないのが残念でなりません。

(Innovator's Dilemmaも読みすすめているのですが、なにせケース紹介のような感じで、ブログに書き起こすほどの新しい示唆がないというのが現実です。
今日明日中に新たなパートに入ると思うので、そしたらなにか書けるのではないかとワクワクしています。)

第一章は「戦略的思考入門」と題されており、実際に戦略的思考とはどのような考え方なのかについて導入として書かれています。
サクッと読んだだけなのですが、実際に役立つ示唆がたくさんあったので、まとめていきたいと思います。

戦略的思考とは複雑なものを解きほぐすこと

戦略的思考とは、複雑な事象を個々の要素に分解し、それぞれの要素が全体にどれほどの影響を与えるのかを考えることである。
あるいは、
戦略的思考とは複雑な物事の本質を見抜く思考方法である。

要点だけ言えばこんな感じなのですが、これだとシンプルすぎて具体的な考え方がなかなか伝わらないと思います。
そこで著者はたくさんの例えを出しているのですが、その中で自分がなるほどなと思った例を大学生らしく解釈してここに書いてみようと思います。

戦略的思考の例:春休みの旅行
今あなたは大学の試験が終わったところで、春休みの旅行計画を立てているとします。
あなたは残念ながらパパに言えば無限にお金がもらえるような家庭の子供ではなく、できるだけコスパの良い旅の計画を立てる必要があります。
そんな折、食事付きの良さげなホテルを二つ(AとB)見つけました。

二つは似たような特徴(設備やサービス)を持ち、似た値段のホテルなのですが、値段体系がちょっとだけ違います

A:全部コミコミで5000円ピッタリ
B:サービス料(10%)、各種税(10%)を除いて5000円、コミコミで考えると
 5000* (1+ サービス料 + 各種税) = 6000円

こんな感じです。
もしあなたが僕のように、うまい飯を食べることと高い服を買うことが趣味で、毎月クレジットカードの請求に怯え、時には自分の大好きな服ですら高円寺に売りに行かなければならないほど追い詰められていたら、Aを選ぶ他ありません。まあその前に日々の節制と旅行をする必要があるのか再検討する必要がありますけどね。
仮に僕ほどお金の使い方が下手ではない人でも、同じくらいの値段ならお得そうなAを選ぶのは自然に思えます。
ではそもそもこの二つのホテルにはどれほどの価値の差があるのでしょうか
簡単のために、ホテル業界は利益体系がある程度似通っているとすると、

Bのホテルには5000円を払うに値する価値があると言えそうです。

Aはどうでしょうか。
コミコミで5000円ですから、その中には当然サービス料と各種税が含まれています。
つまり、
 本当の価値
= \frac{5000円}{1+ サービス料 + 各種税}
=\frac{5000円}{1.2}
\fallingdotseq {4200円}

Aのホテルはだいたい4200円払うに値する価値がありそうです。

この800円の差は何で生まれているのでしょうか。
最初の仮定が正しい、すなわち設備やサービスに大差がないとするならば、おそらく変動費である食事のコストの差でしょう。
かりに二つのホテルの固定費(設備やサービス)が2500円分だとすると、二つのホテルの食事は
A:1700円
B:2500円
を支払うに値する価値があることになります。

絶対的な金額はAのほうがお得ですが、食事にかけられているコストはBの7割未満。

こうした事実が浮かび上がってきます。
一見似通った2つのものでも、こうして分析すると差が明らかになるわけですね。
もちろんこれは都合のいい例えですが、大学生にとって身近な旅行でも、戦略的に考えたらよりQOLの高い成果が得られるかもしれないと考えると、戦略的思考は誰しもに役立つと言えるでしょう。
このように、戦略的に考えるというのは、現状をバラバラにし、その要素を自分の有利なように組み合わせることだと著者は述べています。

ものの本質を捉えるための問題設定

ものの本質を捉えるためには、設問の仕方が重要なようです。
戦略的な思考をしなければいけないときは、なにか問題が生じているときでしょうから、その問題を分析するための切り口を設定する設問が、明暗を分けるというわけです。

例えば、自分がなにかビジネスに取り組んでいるとして、あまり売上が伸びていないとします。
いや、僕は文系大学生☆なので、ここはテニスサークルに新入生が集まっていないという問題にしておきましょう。

問題の例:サークルに新入生が集まらない
「サークルに新入生がたくさん集まってくれるためにはどうしたらいいか?」という問いを設定して、みんなで話し合うと、以下のアイデアが出てきました。
TwitterInstagramを活用した広報の充実
・様々な時間割に対応した練習体系を宣伝して入りやすくする
・サークルとしての実績を作る(強くなる)
・もっと積極的に新入生を新歓する
・他の大学の学生にも門戸を開く

いやぁ、実にたくさんでてきましたが、どれを実行すれば良いんでしょうかね。
だいたいこんなことみんな考えてますよね。
こういった全員参加の解決策は一定の効果は出るでしょうけど、もう少しうまいやり方があるはずだと著者は述べています。
そもそも、これらが本質的な解決になっているのか非常に怪しいです。

本質的な経血案を見つけるための方法が、解決策志向的な設問です。
先程の例において、設問を以下のように改めてみます。
「サークルに新入生が集まらないのは、そもそも大学内のテニス人気(市場規模)が減少しているからなのか?」
こうすると、答えはYesかNoの二択になります。

新入生の数(売上)
= 「テニス人気(市場規模) 」
× 「サークルの人気(自社シェア)」

という式が成り立つでしょう。その場合、考えられるケースは三つでしょう。
(1)テニス人気が横ばいの(市場規模があまり変化していない)場合
更に追加の問いが二つ必要になります。
「テニス人気が上がることはないか」と「サークルの人気を上げる方法はないか」です。
サークル人気の決定要因なども分析してみると良いかもしれませんね。
テニス人気が上がることがないのであれば、全力でサークルの人気上昇に取り組まざるを得ません。
ここに来てようやく、サークルの人気の決定要因を考えることになります。
(2)テニス人気が上昇している(市場が拡大している)場合
市場規模が拡大しているのに、新入生の数が増えないで減っているのであれば、サークルの中に問題があることは明らかでしょう。
ケース(1)と同様にサークル人気の決定要因を分析し、改善しなければなりません。
市場は拡大しているので、改善さえできれば新入生はたくさん来てくれるはずです。
(3)テニス人気が減衰している(市場が縮小している)場合
サークル内の問題ではなさそうなので、素直にテニスで勝負することは捨てて、他のイベントや特徴で人を集めるべきでしょう(シェアを放棄し、別に事業に精を出す)。

このように考えると、解決案が本質的なものになりますし、なにより考える内容に穴がありません

適切な問題設定のための適切な問題把握

適切な問題設定を行うためには、そもそも問題が把握されている必要があります。
サークルの例で言えば、「新入生の減少」という問題が把握されている必要があるわけです。
しかし、新入生あるいは売上高の増減といった誰にでもわかる変数が、いつも問題を指し示してくれるわけではないことに注意すべきでしょう。
だからこそ、どのような問題を発見して、設問を作るかに、企業などの組織の手腕が問われるわけですね。
文章が長くなってしまったのと、流石にサークルで例えを作るのに限界があるので、いったんここまでで切りたいと思います。

単純なブレインストーミングではなく、抜け目なく場合分けする考え方は、コンサルタントの基本的な思考法かもしれませんね。
サークルという卑近な例からも分かるように、なにもこういった考え方は「コンサル」の専売特許というわけではなく、濃度の差こそあれ、訓練を積めば誰にでも出来るものだと思います。
著者も述べていますが、「解決案につながるような設問のしかたを常に発せるように訓練し、心がけておくことが大切」だと言えそうです。
これなら、暇な時に誰でもできそうですよね。そして、現在も将来も様々な場面で役立つことは間違いないでしょう。

まだ続くはずですが、ひとまず最後までご覧いただきありがとうございました。